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水景に魅せられて

お酒やアクアリウムなど

ピュア ケンタッキー バーボン

うららかな春の光が眩しい土曜日。 昼間は夏の匂いも感じられる季節だが、今は朝7時。 爽やかな風が昨日までのイライラを流してくれそうだ。 佳代は港町の自動車部品の工場に今年の春から事務として働くため引っ越してきた。30歳で叔父に勧められた人とお見…

侘び草ビオトープ

時はきた あったかい あったかすぎる サカナたちも外ばっかり見ている うん、出そう ちょうど一年前始めたプランタービオトープ。 玄関先に作ったオアシス。 冬の間はかわいそうに思えて家の中へ。 そろそろ出しましょか。 去年は赤玉土にウォーターマッシュ…

花見のワイン

「週末花見するぞ!明日から暖かくなるから土曜日には満開だからな」 「新人は買い出しよろしくな〜」 ハルカは今年の4月にこの会社に就職した新人の3人のうちの1人だ。 「ハルカは大学の時レストランでバイトしてたでしょ〜」 「お酒頼むわ」 新人の中でも…

世界のメダカ館

よく晴れた春のような日だった。 ケンは以前から気になっていた名古屋の東山動物園にいた。 動物園と植物園に分かれており、とても広い。 その日はよく混んでいてやっと見つけた駐車場から土の坂道をだいぶ登ったところから入園した。スカイタワーのふもとだ…

鮮やかな黄色の小さな虫のようなもの

真っ白なだだっ広い空間の中でただ走っていた。 「後ろから来たぞ!!、みんなバラバラに逃げろ!!」ケンの後ろを走っていた子供が鮮やかな黄色の小さな虫のようなものの餌食となった。「早く走れ!!」ケンはスピードを緩め大声で子供に向かって叫んだがも…

京都を楽しむ 後半《サクラテラスザギャラリー》

冬の京都は日が落ちるのが早く、ホテルに戻ってきた頃にはすでに暗く、受付のたいまつが大げさに燃えていた。 部屋に入るとシンプルながらにセンスのいい居心地の良い内装で、男2人でもまあまあ許せた。夕食の18時には少し時間があったのでテレビを見ながら…

京都を楽しむ 前編《錦市場から大原》

その日は朝から雪が降っていた。 タカシは身支度を整えると用意してあった小さなボストンバッグを持ってタクシーに乗った。駅に着いたがまだ雪の勢いも弱まらず、外での待ち合わせには寒すぎた。タカシにとって待ち合わせの相手のケンは同じバーテンダーの先…

イタリア サルディニア島 ワイン

義昭は静かな港町で、貿易会社の取締役として働いている。50代終盤になり、定年までもう少しの年齢になった。昨日も取引会社の接待の為神戸にまで行き、苦手な地酒を限界まで呑んできた。昔ラグビーと野球で鍛えた身体としゃがれた声、笑顔の似合わない顔の…

めだかたちの里子計画

ケンの家では無加温で冬でも卵が産まれる。 室内で昼間は日が当たるので水温は15度くらいになる。 産み落とされた卵たちを小さな水道水の容器の中で孵化させ、ヒーターを入れたグリーンウォーターで育てる。 三寒四温の季節。元気に成長した子供達を里子に出…

水景に魅せられて

ケンは太平洋に面した静かな港街の小さなレストランでバーテンダーをしている。 ケンは小さな頃から水の中を眺めるのが好きだった。 現実とは全く違う未知の世界が広がっている気がして、その世界を覗いているのが至福の時間だった。 いつしかその世界を自分…