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水景に魅せられて

お酒やアクアリウムなど

イタリア サルディニア島 ワイン

義昭は静かな港町で、貿易会社の取締役として働いている。
50代終盤になり、定年までもう少しの年齢になった。
昨日も取引会社の接待の為神戸にまで行き、苦手な地酒を限界まで呑んできた。
ラグビーと野球で鍛えた身体としゃがれた声、笑顔の似合わない顔のせいか聞かなくてもは義昭が日本酒なら底無しに呑めると思われる。

「ほんとはワインが好きだ」とは言いにくい性格だ。

 

今日は義昭の妻、由美子の誕生日祝いでレストランを予約してある。

毎年由美子の誕生日だけは2人で予約して食事に行くことにしている。

昔を思い出し少し照れる。

 

いつもと変わらない声で「ただいま」と帰った。

少し遅れて由美子の声、いつもより少し高い気がした。

久しぶりに見る由美子のスカート姿に笑ってしまった。

少しムッとした由美子は「間に合わないよ」と急かしてくる。

予約の19時にはあと30分に迫っていた。
義昭は着替えることもせずにタクシーに乗り込んだ。

 

いつもは仕事の接待で使う店だ。
由美子と行くのは初めてで気恥ずかしさも覚える。
「いらっしゃいませ〜!!」
「お待ちしてました」
「今日はよろしく。 …あっ、妻です」
「初めまして!いつもお世話になってます!」
「こちらこそ主人が〜」
いつもより親しげに話すケンに由美子の緊張も和らいだようだ。

2人には広めの窓側の部屋を取ってくれてあった。

柔らかな暖色系の灯りが落ち着く和風モダンな造りだ。由美子も気に入ってくれたようだった。

港町の得意な魚介を贅沢に使ったイタリアンのコースと赤ワインを注文する。

 

ケンがワインを持って入ってくる。
「お待たせしました。本日はデューレというワインをお持ちしました。前菜からメインまで特に魚介類と相性の良いイタリア サルディニア島産のワインをお持ちしました」
上品な白を基調としたエチケットの赤ワインだった。

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「あまり聞いたことのないとは思いますがカンノナウというぶどう品種100%のワインです」

大振りなグラスに注がれたワインは深くも澄んだ赤にキラキラと輝く水面をしていた。
義昭はグラスに鼻を近づけてみた。
ふわりと濃厚なブドウの香りとアルコールが鼻の奥をキュッと締めた。

ケンが部屋を出たのを確認し、由美子と誕生日のお祝いの乾杯をした。
軽くワインを回して香りを嗅ぎながら口に含んだ。
樽っぽい香りを感じ飲んだワインはフレッシュさを持っており、しっかりした骨格があるのに飲みやすく繊細だった。
前菜からサラダ、魚料理と肉料理、生魚からしっかりしたソースまで何とでも相性良く、料理によってまた時間によっても顔を変えるてくれるワインだ。
今日みたいな2人でコース料理を食べるときにはとってもいいチョイスだと思った。
2人なので1本しか飲めないし、料理によって変えるグラスワインでは物足りない。

爽やかなフレッシュ感もあり、最後に甘さを感じるしっかりしたボディがちょうどいい満足感を与えてくれた。

 

こんなワインを作ってるサルディニア島
定年後に由美子と行く旅行先がまた一つ増えた。