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水景に魅せられて

お酒やアクアリウムなど

花見のワイン

「週末花見するぞ!明日から暖かくなるから土曜日には満開だからな」

「新人は買い出しよろしくな〜」

ハルカは今年の4月にこの会社に就職した新人の3人のうちの1人だ。

「ハルカは大学の時レストランでバイトしてたでしょ〜」

「お酒頼むわ」

新人の中でもおとなしい性格のハルカは他の2人の男子に簡単に頼まれてしまった。

帰りに元バイト先のケンさんの所に行こう。

なにか教えてもらおう。

お店暇だといいなぁ。

まだ新人研修中なので定時の17時半には帰れる。

「おー、いらっしゃい!」

リクルートスーツか。あんまり似合ってないな」

自分で言って高笑いをするケンさん。

本当か冗談かよく分からない人だ。

「やめてください」

ムッとしてカウンターに座った。

「ビールとサラダください」

バイト時代からのハルカ定番メニューだ。

「相変わらず変な組み合わせだな」

ケンさんはおかしなものを見るような目で見てくる。

「で、なんだ今日は?もう仕事がら嫌になったか?」

「そんな訳ないですよ。まだ一週間ですよ」

花見の買い出しの事をケンさんに伝えた。

「私がここでバイトしてた事みんなに言ったから期待値が上がってるんですよ」

「そうだなぁ〜」

少し考えて、冷蔵庫から一本のワインを出してきた。

ロゼワインなんてどうだ?」

「えー!かわいい!!でもおっさんたちばっかですけど大丈夫ですかね」

「世間のイメージはロゼワインっていうと中途半端でなんとなく甘そうで飲めない奴が飲むもんだろっと思われているかもしれないけど、ちょっと飲んでみろ」

グラスに注がれたそれは淡いピンクで桜色って言葉がぴったりなワインだった。

香りは赤い果実を潰したような爽やかさがあった。

「いい香り〜!!」

一口飲んで見る。

驚くほど飲みやすいがしっかりとしたぶどうの味がする。

少し甘いのかと思っていたが、喉を通った後にぶどう本来の甘さがある程度で辛口の白と爽やかな赤の良い所をとったような味だった。

「おいしいっ!!」

「だろ?つまみが何か決まってないなら何でも合うワインで行きたいだろ」

確かに脂っこいものでも、このサラダにも合う。

まだ肌寒い季節だからこのワインなら冷やさなくても大丈夫そうだ。

「見た目は可愛くピンク色、中身は辛口のしっかり者、猫かぶったハルカにぴったりだしな」

また高笑いのケンさん。

「フランスでは白ワインよりロゼワインの消費量が多いんだぞ。それくらい人気のあるワインなんだよ。このワインは南フランスの人気の生産者Mシャプティエと言う人が作ったロゼワインだよ」

1本1.000円くらいで買えるとは。

これはみんな喜んでくれそうだ。

このワインが苦手な人は少ないだろう。

週末の花見が楽しみになった。