水景に魅せられて

お酒やアクアリウムなど

家飲みベンチマーク

「こんにちは〜!頼まれてたワイングラス12脚持ってきました〜」

ヒロシは食器を飲食店などに納品する会社に勤めている。今日もケンさんの店にワイングラスをー急いで持って来いーという強引な脅しに大急ぎで走って来た。

「おー!早かったね〜!そこ置いといて」

仕込み中だったケンは箸でテーブルの上を指す。

「分かりました。ありがとうございました。また飲みに来ます!」

納品がたまっているので急いで帰ろうとしたがケンが引き止めた。

「ヒロシ来る来るって言って一回も来たことないよね。うちの担当になってもう2年かぁ。最近飲みに行ってるの?」

「すみませんケンさん。全然出てないんです。最近子供が産まれまして。帰ってお風呂に入れる仕事が出来ちゃいまして。」

子供の話になると自然と笑いが出て来る。

ほんの2ヶ月ほど前、初めての娘が産まれた。

飲みに行くのが好きだったヒロシも妻が妊娠してからパッタリと出なくなった。

「そうなのか!おめでとう!男の子か?女の子か?」

「女の子です」

「そっかそっか。じゃあ全然遊んでないのか」

「そうなんですよ。娘の顔を見たくて早く帰りたくなるんです。娘が寝てから1人で飲んでますよ。ケンさん、何か安くて美味いウイスキー教えて下さいよ」

酒屋に行けば飲んだことのない安いウイスキーはたくさんある。

でも何が美味いのか分からなくいつも同じのを買ってしまう。

「安くて美味いウイスキーねぇ〜」

そう言ってバックバーに目をやって少し考えた。

「バーボンでベンチマークだな。ロックでガンガン飲める、優しい系のバーボンだ。子どもが産まれたお祝いで1本持ってけ。」

そう言ってケンは新品ではなかったが、8割がた入ったボトルをカウンターに置いた。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

【5,000円以上送料無料】ベンチマーク 40度 750ml
価格:1058円(税込、送料別) (2017/5/15時点)


 

「えっ、いいんですか?やった!ありがとうございます!!」

ケンは気前がいいというか、カッコつけるところがあった。

「また時間できたらほんとに来ます!」

ボトルを両手で大事そうに抱えて仕事に戻った。

 

帰って日課の娘を風呂に入れ乾かしてから寝かせる。今日は乾かしている時から半分寝てたのですぐ寝息を立ててくれた。

 

急いでおかずと白米を食べ、楽しみにしてたベンチマークを開けた。というか開いてたベンチマークを氷に流した。

あたりに芳醇な香りが漂った。

指で氷を回しグラスを曇らせてから口にに少しだけ含ませた。

厚みがあるが尖ったところがないので40度のアルコールがあるとは思えないほどスムーズだ。

一杯目はすぐに終わった。

氷も足さずにさっきより少し多めに注いだ。

指で氷を回し、氷が小さくなって来たところで喉に流した。

香りが鼻に抜け、余韻がノドボトケのあたりにじんわり温かく感じる。

美味い。止まらない。

 

 

ケンさん

「もっと飲みにくいのを下さい!!」